「なんとなく書く」からの卒業──『新装版・日本語の作文技術』を読んで気づいたこと

普段、私たちは何気なく日本語を書いていますが、いざ人に読んでもらう文章となると、
「うまく伝わらない」「何だか読みにくい」と感じることがありませんか?

今回読んだ『新装版・日本語の作文技術』(本多勝一 著)は、そうした“なんとなく書いている”文章に対して、
「伝えるための技術」としてどう整えていくかを教えてくれる一冊でした。普段当たり前に話し書き読んでいる日本語の「書き方」を改めて考えるきっかけになりました。

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読んで感じたこと

この本を通して、まず大きく感じたのは「文章には読み手がいる」というごく当たり前の事実でした。
書き手の思いや考えは、ただ書けば伝わるものではありません。読む人が読みやすい形に整えてこそ、はじめて伝わるのだと改めて気づきました。

また、今まで自分があまり意識してこなかった読点(、)の打ち方や、修飾語の順序、助詞の選び方など、細かな部分まで取り上げられており、
「なんとなく」で済ませてきたことを丁寧に見直すきっかけになりました。

一部、文章批評や文法分析のような内容に寄っている箇所は読み進めるのに少し難しさや違和感もありましたが、
それもまた“文章を書く”ことの奥深さとして興味深く読めました。

特に印象に残った章

第三章「修飾の順序」

言葉の並べ方ひとつで、文章の意味や印象が変わる。そんな当たり前のことを、具体的な例を通して実感できました。
自分でも何となく違和感を覚えていた「読みにくい文章」の理由が、少しずつ理解できていく感覚がありました。

第四章「句読点のうちかた」

読点の打ち方について、これほどまでに深く考えたことはありませんでした。
「読みやすさ」や「構造の明示」という視点から、どこに打つかを考えるようになったのは大きな変化です。

第六章「助詞の使い方」

「が」「は」「を」といった助詞は、日本語の中でもとても繊細な要素。使い方によって文章のニュアンスががらりと変わることを、改めて意識するようになりました。

読んでからのちょっとした変化

この本を読んでから、街中の看板や広告に目がいくようになりました。
「どうしてこの文章は読みにくく感じるんだろう?」「助詞の選び方のせいかな?」と考えるようになったのは、自分にとって大きな変化です。

また、仕事でのメールや資料作りでも、「伝わるように書く」という視点が自然と意識されるようになりました。
書き方ひとつで印象が変わるなら、やはり気をつけていきたいところですね。

おわりに

『日本語の作文技術』は、日常的に書いている日本語を見つめ直すきっかけになる本でした。
「うまく書けない」「読みやすくしたい」と思っている方にとって、ヒントがたくさん詰まった一冊です。
書くことを少し丁寧に見つめ直してみたい、そんなときにぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

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